65歳未満で発症する若年性認知症になったら仕事は続けるべきか

公開日: 更新日:

 さらに、仕事の継続によって、認知症でも自分には仕事がある、会社という居場所があるといった自尊心や自立心、やりがいや生きがいが保たれ、認知機能だけでなく精神面も安定します。

 実際、私が見ている限りでは診断後に本人が会社に迷惑をかけられないといって仕事を辞めてしまうことが多い印象です。ですが、特に男性の場合、退職をきっかけに急激に悪化するケースがよく見られます。それまで仕事中心の生活をしていた人が退職すると、仕事という習慣がなくなって目標が失われ、だんだん意欲も低下して外出せず閉じこもりがちになります。その結果、周囲との関わりがなくなってさらに脳が刺激されず、認知機能が徐々に低下していきます。

 若年性認知症と診断されても、患者さんは診断結果と今自分が苦手と感じていることを会社へ包み隠さず相談し、部署異動などの配慮をお願いするといいでしょう。会社が異動に対応してくれるなら、それに甘えて働き続けてください。会社側は、患者さんに現時点での得意・不得意をヒアリングしながら患者さんができる範囲の業務を任せて、困っているときには手を差し伸べてあげてください。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち