65歳未満で発症する若年性認知症になったら仕事は続けるべきか

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 さらに、仕事の継続によって、認知症でも自分には仕事がある、会社という居場所があるといった自尊心や自立心、やりがいや生きがいが保たれ、認知機能だけでなく精神面も安定します。

 実際、私が見ている限りでは診断後に本人が会社に迷惑をかけられないといって仕事を辞めてしまうことが多い印象です。ですが、特に男性の場合、退職をきっかけに急激に悪化するケースがよく見られます。それまで仕事中心の生活をしていた人が退職すると、仕事という習慣がなくなって目標が失われ、だんだん意欲も低下して外出せず閉じこもりがちになります。その結果、周囲との関わりがなくなってさらに脳が刺激されず、認知機能が徐々に低下していきます。

 若年性認知症と診断されても、患者さんは診断結果と今自分が苦手と感じていることを会社へ包み隠さず相談し、部署異動などの配慮をお願いするといいでしょう。会社が異動に対応してくれるなら、それに甘えて働き続けてください。会社側は、患者さんに現時点での得意・不得意をヒアリングしながら患者さんができる範囲の業務を任せて、困っているときには手を差し伸べてあげてください。

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