著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

インフルエンザと新型コロナでは死亡リスクはどちらが高い?

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスの感染が拡大した当初、同ウイルスによる感染症インフルエンザ感染症よりも重症化しやすいと考えられていました。実際、2020年に報告された米国の研究データによれば、入院患者の死亡リスクは、インフルエンザ感染症と比べて、新型コロナウイルス感染症で、約5倍高いことが示されています。

 しかし、新型コロナウイルスに対するワクチンの普及、新しい治療薬の開発と実用化、ウイルスの変異に伴う弱毒化などによって、重症化のリスクも大きく変化した可能性があります。そんな中、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ感染症の死亡リスクを比較した最新の研究データが、米国医師会誌に23年4月6日付で掲載されました。

 この研究では、22年10月1日~23年1月31日の間に、新型コロナウイルス感染症で入院した8996例と、インフルエンザ感染症で入院した2403例(平均73歳、男性95%)が解析されています。

 その結果、入院から30日以内の死亡率は、新型コロナウイルス感染症で5.97%、インフルエンザ感染症で3.75%と、新型コロナウイルス感染症で1.61倍、統計学的にも有意に高いことが示されました。なお、死亡リスクは新型コロナウイルスワクチンの接種回数が多いほど減少しました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘