著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナは感染の自覚がない人が半数以上 米医学誌で報告

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスのオミクロン変異株は、他の変異株と比べて感染力が強いと考えられています。一方で、過去に流行したデルタ変異株と比べると、重症化のリスクが低く、無症状や軽症例も多いことが報告されています。

 そのため、オミクロン変異株に感染しても、感染したことに気づかない人も少なくありません。

 しかし、無症状の感染者がどのくらいの割合で存在するのかについて、質の高い研究データは限られていました。そんな中、オミクロン変異株への感染と、感染の自覚(認識)を調査した研究論文が、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルの電子版に2022年8月1日付で掲載されました。

 米国カリフォルニア州で行われたこの研究では、新型コロナウイルスのオミクロン変異株に感染した210人(年齢中央値51歳、女性65%)が対象となりました。研究参加者の新型コロナウイルス感染に対する自覚については、自己申告による健康調査や診療記録などに基づき、総合的に評価されました。

 解析の結果、感染の自覚があった人は44%(92人)に過ぎず、56%(118人)は自分が感染したことを自覚していませんでした。また、感染の自覚がなかった人のうち、10%(118人中12人)は何らかの症状を訴えていたものの、一般的な風邪や新型コロナウイルス以外の感染症が原因だと認識していました。さらに、感染を自覚しやすい人の特徴を統計解析したところ、医療従事者では、そうでない人に比べて、感染を自覚している人が2.5倍多いという結果でした。

 論文著者らは「感染の自覚がないことは、地域社会においてウイルスの急速な感染拡大を引き起こす強い原因である」と結論しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった