著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

「原因」と「結果」で考える社会の落とし穴…マスクの効果における病態生理と統計学的事実

公開日: 更新日:

 話をマスクによる感染予防に戻せば、コロナの感染はエアロゾルだけでなく、飛沫感染も重要な要素である。不織布マスクがエアロゾルを通すとしても、飛沫の大部分を防ぐとすれば、その分の予防効果は十分期待できるだろう。あるいはマスクをすることで鼻や口を触ることが少なくなれば、手についた飛沫による感染が予防できるかもしれない。

 感染に関わる病態生理、メカニズムをひとつに絞って取り上げれば、いくらでもウソがつける。

 エアロゾルはマスクを通過するという情報は、個々の情報としては間違ってはいない。しかし、感染予防全体の中でどういう効果をもたらしているかは、この情報だけでは決してわからない。個々の因果モデルをいくら積み重ねたところで、全体像が見えてくることはない。予防効果全体という視点で見た時に、マスクをつけている人とつけていない人で、それぞれの感染率がどう異なるかという情報がどうしても必要だ。疫学的、統計学的な情報ということである。しかし、その統計学的情報にもさまざまな問題がある。そういう意味では、病態生理やメカニズムの情報はダメで、統計学的情報ならよいということではない。

 次回からは、主に医学に関する統計学的情報の正しさ、統計学的情報の問題点について、しばらくの間、取り上げていく。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る