「ハイパーサーミア療法」はがん治療の開始とともにスタートすべき…脳神経外科医が提言

公開日: 更新日:

 余命数カ月と宣告された70代の転移肺がん女性は「来春の娘の結婚式までは生きたい」という願いをかなえ、家族との海外旅行も実現できたという。膵臓がんの女性は、都内のがん拠点病院に通っていたが、家族がハイパーサーミア療法の評判を聞き、治療をスタートさせたという。

「治療開始4カ月ほどで膵臓がんの腫瘍マーカーであるCA19-9(基準値37U/ミリリットル以下)が5分の1ほどに低下しました。この間、抗がん剤や放射線治療なども行っておりますので、上乗せ効果があったのだと思います」

 ハイパーサーミア療法は悪性腫瘍に対する治療として一定の条件の下、公的保険の適用を受けることができる。この女性はその効果を実感し、公的保険適用後も自費診療を続けているという。

 そもそもハイパーサーミア療法とはがん細胞が42.5度以上の熱に弱い性質を利用してがんを治す治療法のこと。それだけ聞くと、わざわざ治療器など使わなくても入浴すればよさそうだが、そうではない。温水などでは体表面の温度は上げられても体の奥底に潜むがん細胞の塊の温度を上げることができないからだ。そのため、高周波で局地の温度を上げる専用のハイパーサーミア治療器によってがん細胞を攻撃する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  2. 2

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    市船橋(千葉)海上監督に聞く「高校完全無償化で公立校の受難はますます加速しませんか?」

  5. 5

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  1. 6

    プロ志望の健大高崎・佐藤龍月が左肘手術経てカムバック「下位指名でものし上がる覚悟」

  2. 7

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  3. 8

    石破首相が「企業・団体献金」見直しで豹変したウラ…独断で立憲との協議に自民党内から反発

  4. 9

    長渕剛がイベント会社に破産申し立て…相次ぐ不運とトラブル相手の元女優アカウント削除で心配な近況

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希“ゴリ押し”ローテ復帰が生む火種…弾き出される投手は堪ったもんじゃない