「ハイパーサーミア療法」はがん治療の開始とともにスタートすべき…脳神経外科医が提言

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「最近は治療器の性能が上がっており、当院では現時点でそうした患者さんはおられません。また、この治療法が素晴らしいのは直接がん細胞を攻撃する、殺細胞効果があるということだけではありません。がん細胞を温め、周りの血管を拡張し、血流を増やすことで、抗がん剤のがん細胞への取り込みを増やし、放射線の増感作用を強化し、正常細胞が本来持っているがん細胞への攻撃力(NK細胞、細胞傷害性T細胞、樹状細胞など)を増やし、強化できることにあるのです」

 実際、併用することで抗がん剤、放射線治療の上乗せ効果が認められている。それによって抗がん剤の量や放射線治療の線量を減らし、副作用に苦しむ患者の負担を減らすことができているという。

「私は、がんと診断されたら早い段階で標準治療を軸にこの治療法を併用することが望ましいと考えています。がんは治る病気になりつつあります。それは何か決め手となる治療法があるというより、総合的な治療による成果です。ハイパーサーミアはその有力な治療法のひとつだと思います」 9月8、9日には日本ハイパーサーミア学会第40回大会が神奈川県伊勢原市の市民文化会館で開催される。気になる人はその情報を集めるのもいいかもしれない。

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