30年ぶりの肥満薬の正体は2型糖尿病用注射薬…11月22日から公的保険の対象に

公開日: 更新日:

「GLP-1は『グルカゴン様ペプチド-1』と呼ばれる物質で、インクレチンと総称されるホルモンの一種です。膵臓のβ細胞に働きかけることでインスリン(血糖値を下げるホルモン)の合成や分泌を促す一方で、膵臓のα細胞に働きかけることで血糖値を上げるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑制します。つまり、この薬は二重の意味で血糖値を下げるのです。また、胃からの排泄抑制による満腹感の増大、中枢性食欲抑制による食欲の低下をもたらします。そのことで血糖を下げつつ、やせることもできるのです」

 しかも、このGLP-1受容体作動薬は新たな知見が次々と明らかになっていて、心臓病の予防効果や総死亡率の低下を示す研究結果も報告されつつある。

 ただし、薬である以上、一定の確率で副作用が発生する可能性がある。過度な摂食制限を併せて行えば、重大な低血糖の発生リスクがあり、GLP-1受容体作動薬には、吐き気や嘔吐などの胃腸障害の副作用が知られている。適応のない使用は厳に慎むべき薬であることは覚えておこう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも