娘を出産した直後から突然、体に力が入らなくなった

公開日: 更新日:

松本彩子さん(47歳)=慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

 もし足元に空の紙袋が落ちていたら、皆さんはそれを蹴ることができますよね。でも、CIDPを患う私には蹴ることができない。足に力が少しも入らないんです。紙袋の存在に負けてしまい、足を前に出せず、前方に倒れてしまう。転んでしまうことは、非常によくあります。

 突然、体に力が入らなくなったのは、2014年の夏です。娘を出産後すぐ、立とうと思っても足の感覚がないんです。足裏にラップを巻かれているような、足の皮が引っ張られているような違和感もありました。水を飲もうとしても、口をうまく動かせないから水が口から漏れる。娘のオムツのマジックテープをうまくつけられない。

 日に日に麻痺している部分が広がり、完全に感覚がなくなりました。その間、1カ月に満たなかったのではないでしょうか。当時の記憶はあいまいで、正確な症状や経緯が思い出せません。

 病院につながるきっかけになったのは、最初は住んでいる区の助産師さんからの電話でした。母子ともに元気かと聞かれた際、私が受け答えをし始めると「失礼ですが、お母さま、いつもこのような話し方ですか?」と聞かれたのです。「1週間前からそうです」と答えると、「すぐに救急車を呼んでください」と。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  3. 3

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  4. 4

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  5. 5

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  1. 6

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  2. 7

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  3. 8

    維新のちょろまかし「国保逃れ」疑惑が早くも炎上急拡大! 地方議会でも糾弾や追及の動き

  4. 9

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  5. 10

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方