著者のコラム一覧
黒﨑弘正江戸川病院放射線科部長

江戸川病院放射線科部長。1995年、群馬大学医学部卒。医学博士。日本専門医機構認定放射線専門医、日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医。JCHO東京新宿メディカルセンターなどの勤務を経て2021年9月から現職。

膵臓がんはかつての予測よりもはるかに多く発症している

公開日: 更新日:

 一方、治療においては、残念ながら皆さんが期待するほどの抗がん剤の進歩はありません。フォルフィリノックス療法(5-FU・イリノテカン・オキサリプラチンの3種類の抗がん剤にレボホリナートをプラスする)を加えた多剤併用療法がもっともポピュラーな治療方法ですが、局所進行している場合では生存期間2年弱、遠隔転移を伴う場合は1年程度となっています。

 近年、BRCA遺伝子という遺伝子が壊れている患者さんには、オラパリブという新薬が使えるようになりました。しかし、この遺伝子が壊れている人は膵臓がん全体の5%程度に過ぎず、オラパリブが適応となる膵臓がんの患者さんは多くはありません。しかも、投与しても、その効果は悪くなるまでの期間が7カ月ちょっとぐらい延びる程度であり、ゲームチェンジャーとなるような抗がん剤ではないようです。

【連載】教えて放射線治療 ドクター黒﨑に聞く

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手