日本温泉科学会会長に聞いた…「温泉」はなぜ「腰痛」にいいのか

公開日: 更新日:

「人間の体温は一定に保たれるようにできており、入浴で湯に接している場所の体温が上がると、他の場所にあるまだ温まっていない血液がたくさん送り込まれ熱をもらい、その血液が他の部位に熱を放散することで、温まった場所を冷やします」

 これで血流が増加。流れゆく血液で血管内皮が刺激され、血管拡張物質の一酸化窒素が放出される。すると血管が広がり血行がより促進される。

「すると栄養や修復物質の含まれた血液が組織に到達し、組織が再活性化。さらにブラジキニン、トロンボキサンA2といった老廃物や疼痛物質が洗い流され痛みが和らぐのです。水道水の家庭用の風呂でもその効果は得られますが、より体温を上げ、保温効果が長く持続する温泉の方が、効果が高いといえます」

■神経の閾値が上昇し痛みを感じにくくなる

 体温上昇は、痛みに対する閾値も上げる。腰痛のような重く、じわーっとした痛みは、痛みを感じる神経のうち、C線維という細い神経が関係している。前田医師は、どれくらいの電流の強さで痛みを感じるかを調べる電流知覚閾値計を用い、湯温41度15分の全身入浴の前後の変化を調べた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か