日本温泉科学会会長に聞いた…「温泉」はなぜ「腰痛」にいいのか

公開日: 更新日:

「水道水と温泉(炭酸温水)を比較すると、C線維の閾値上昇は温泉の方が水道水より上でした。閾値が大きいほど、痛みを感じにくいということになります。腰痛患者さんに炭酸温水入浴をしてもらった研究では、水道水では入浴前後の腰痛点数(数値が高いほど良好)が23.8から25.5への変化でしたが、炭酸温水では24.0から27.1へと変化し、温泉の方がより腰痛が和らぐという結果を得られました」

 腰痛が和らいだのは、C線維の閾値が上がったのに加え、筋肉や腱が熱膨張して長さが伸び、緊張が低下したこと、筋緊張を高めるγ線維の活動の減少やα運動ニューロンの抑制も関係している。なお、クギを踏んづけた時のような鋭い痛みを感じる神経は体温が上昇しても敏感なままで変化しない。

 最近注目されているのは、HSP70(ヒートショックプロテイン70)というタンパク質だ。

「種々のタンパク質を修復する働きがあります。このHSP70は温泉入浴などによる温熱刺激で誘導されることがわかっており、疲労後のリフレッシュに役立つ。それも腰痛改善につながるでしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます