著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

改めて「クスリ」とはなにかを考える…漢字の意味は?

公開日: 更新日:

 記念すべき(?)第100回ということで、「そもそもクスリとは何なのか?」について少し考えてみたいと思います。

 クスリを漢字で書くと「薬」で、「くさかんむり」と「らく」が組み合わされたものです。「くさかんむり」が植物を意味していることは想像に難くありませんが、一方で「らく」はどうでしょう? クスリを使うことで体が楽になるから? クスリを使うことで楽しい気分になるから? みなさんはどのように思われるでしょうか。

 正解は、このどちらでもありません。恥ずかしながら、薬剤師になる前の私は前者だと考えていました。じつは漢字の「楽」には、「細かく切る、きざむ」という意味があるのです。つまり、植物を細かくきざんだもの、またはそれを煎じたものが「薬」なのです。

 また、国語辞典で「薬」を調べてみると、まず「病気や傷の治療のために、あるいは健康の保持・増進に効能があるものとして、飲んだり、塗ったり、注射したりするもの」という記載が出てきます。つまり、どんな植物でも良いわけではなく、良い効果があるものでなければならないということになります。自然の中には体に害がある(毒がある)植物もあり、それらも一応「薬(毒薬)」といいますが、そういったものは狩りで獲物を仕留めるためなどに使われていました。医療でいう毒薬とは異なるもので、われわれの身近なところでいうと殺虫剤や除草剤などが該当しますが、ここでの趣旨とは異なるため割愛します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々