著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

命を延ばす薬(3)「スタチン」の延命効果は5年間の追跡調査で12.6日

公開日: 更新日:

 もし仮に、臨床試験の調査期間と解析結果が比例しているのであれば、30年間の調査期間では、6倍である75.6日(約2カ月半)の延命期間と見積もることができます。もちろん、この見積もりは仮説にすぎませんが、スタチンの延命効果をより想像しやすいデータだと思います。

 この研究ではまた、過去に心臓病を発症した人では、スタチンの延命効果がさらに長くなる可能性も示されており、プラセボを服用した人に比べて、スタチンを服用した人で17日間の延命が得られました。

 2020年には、心臓病を原因とする死亡に対するスタチンの延命効果を検討した研究も報告されています。臨床試験19件を集めて統合分析したこの研究では、プラセボを服用した人に比べて、スタチンを服用した人で、心臓病による死亡が9.3日延長していました。

 この結果もまた、臨床試験の調査期間を5年間と想定して得られた延命効果であり、実際の寿命に換算すると、より長い延命が得られると考えられます。この研究ではまた、スタチンの服用によって、心筋梗塞の発生が18日ほど延長され、脳卒中の発生が6日ほど延長される可能性も示されています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  2. 2

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  3. 3

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 4

    さや氏の過去と素顔が次々と…音楽家の夫、同志の女優、参政党シンボルの“裏の顔”

  5. 5

    ドジャース大谷翔平「絶対的な発言力」でMLB球宴どころかオリンピックまで変える勢い

  1. 6

    参政党のあきれるデタラメのゴマカシ連発…本名公表のさや氏も改憲草案ではアウトだった

  2. 7

    参政党「参院選14議席」の衝撃…無関心、自民、れいわから流れた“740万票”のカラクリ

  3. 8

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  4. 9

    参政党・神谷宗幣代表「日本人ファースト」どこへ? “小麦忌避”のはずが政治資金でイタリア料理三昧

  5. 10

    ドジャースに激震!大谷翔平の“尻拭い役”まさかの離脱…救援陣の大穴はどれだけ打っても埋まらず