「脂質異常症」の新たな標準薬…スタチン代わる「ベムペド酸」とは?

公開日: 更新日:

「スタチン」は血液中のコレステロールを低下させることで動脈硬化リスクを下げて心臓病などを予防する。開発には日本人研究者が深く関わっていて、その研究を基に米国人研究者がノーベル賞を受賞。また、スタチンを製品化したのも米国製薬会社だ。それ以降、世界中の動脈硬化に悩む患者の命を救ってきたが、それとは別の仕組みで血液中のコレステロールを低下させる新薬がこの秋にも日本に登場するという。どんな薬なのか? 本紙で連載中の「役に立つオモシロ医学論文」の著者で、病院薬剤師でもある青島周一氏に解説してもらった。

  ◇  ◇  ◇

「血液中に含まれる脂質とは、コレステロールや中性脂肪を指します。体に悪いイメージがありますが、糖質、タンパク質と並び、健康の維持に欠かせない3大栄養素のひとつです。とりわけコレステロールは、全身の細胞構造を維持する役割を担い、ホルモンやビタミンDなど生命活動に必要な物質の原料となります。しかし、血液中のコレステロールが増えすぎると、動脈硬化の原因となります」

 動脈硬化とは、血管の内壁にコレステロールやカルシウムが蓄積し、血管の弾力性が失われるとともに、血管の内側が狭くなってしまう状態。進行すると徐々に血流が悪くなり、心臓病や脳卒中の発症リスクが高まる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル