著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

読書をすると成績が上がるが、読書時間は長くない方がいい

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 これは一日の読書に使える時間が関係していると思われ、2時間以上を読書に割くと、当然勉強する時間は減るため、正答数の低下につながったと考えられます。また、「10分以上の読書をする生徒は、ほとんど読書をしない生徒よりも学力が高くなる」傾向も見られたといいます。

 本調査のまとめでは、「読書活動の直接的な影響は、基本的にはかなり小さい。ただし、読書活動は学習活動に大きく影響しており、それが間接的に教科の学力にも影響している」と位置づけ、読書活動の有効性をうたっているほどです。

 読書には、勉強で疲れた脳をリラックスする効果はもちろん、自分の学力を伸ばす上で、適切な勉強のやり方を学んだり、自分で考えたりする力を伸ばす“学びを得られる間接的な影響”が多いというわけです。勉強する習慣がある方でも、気分転換や勉強以外の学びを得るための方法として、読書はオススメなのです。

 ちなみに、ゲームよりも読書の方が頭が良くなるのでは? と思われがちですが、慶応大学の田中による1万5000人を対象にした大規模調査(2020年)では、「平日にゲームをやる平均時間が1時間」「1時間未満」の人は進学実績が良いことが分かりました。つまり、ゲームをすること自体は、適度に脳をリラックスさせることにつながりますから決して悪いことではないということです。問題なのは、勉強時間がなくなるほどひとつのことに熱中してしまうことなのです。

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