(1)心不全を合併する2型糖尿病患者は薬の選択に注意

公開日: 更新日:

 逆に、心不全に有効とされるのはSGLT2阻害薬だ。

「SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンの開発において、その安全性や効果を検証するため、42カ国から7000人の2型糖尿病患者が参加した多施設無作為化比較試験が行われました。そのときの心不全による入院が、エンパグリフロジン群では2.7%に対し、偽薬群は4.1%だったことが報告されています。その後に行われたカナグリフロジン、ダパグリフロジンの心不全死・入院の効果も同じように良い結果が示されたのです」

 なお、日本ではメトホルミンの心不全患者への投与は禁忌とされている。しかし、メトホルミンの心不全に対する有効性を示すデータは蓄積されつつある。今後、議論になる可能性がある。

 心不全の持病を持つ2型糖尿病患者は、心不全治療は循環器科の医師、糖尿病治療は糖尿病専門医に任せるのは当然だが、それぞれの医師に自分が抱える持病をすべて伝え、最良の治療を選んでもらうことが大切だ。

【連載】既往症・持病持ちの治療

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃