(1)心不全を合併する2型糖尿病患者は薬の選択に注意

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 では、心不全のある2型糖尿病患者への治療は通常の2型糖尿病患者への治療と何が違うのか?

「血糖コントロールは最も重要ですが、厳格にコントロールしすぎることが必ずしも良くない、と考えられます。3.4万人の2型糖尿病患者を対象にした13研究のメタ解析では、強化血糖降下療法は心血管イベントを低下させるのではなく、逆に47%増加させた、と報告しています。理由として考えられるのは、強化血糖降下療法による低血糖とそれに伴う交感神経の亢進が心不全の発症リスクを高めるとの見方です。また、心不全リスクを高める可能性がある薬を回避する必要があります。例えば、SU(スルホニル尿素)剤はメトホルミン単独と比べて心不全を18~30%増加させた、との報告があります」

 インスリンは2型糖尿病の末期に使われることが多いため、心不全との関係を2型糖尿病の飲み薬と同等に見ることはできないが、観察研究では心不全の発症リスクを高めた、との報告がある。

 また、インスリン抵抗性を改善し、筋肉などへの糖の取り込みや肝臓での糖放出を抑えるチアゾリジン誘導体のピオグリタゾンが心不全の発症を増加させることが知られている。

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