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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

難治のすい臓がんでもステージ1なら10年生存率は3割ある

公開日: 更新日:

 がんの治療成績を比較するとき、生存率が使われます。一般には5年生存率ですが、国立がん研究センターは10年生存率も調査。その最新版が公表されました。対象は、2012年にがんの診断と治療を行った361施設、約54万人です。

 生存率の計算方法にはいくつかありますが、この調査の特徴は「純生存率」を算出している点でしょう。これまで使用されてきた相対生存率は、一般の集団とがん患者との生存率の比として表すのに対し、純生存率は「がんのみが死因となる状況」を仮定して計算します。

 国際的には純生存率を使用する流れになっていますから、それを意識しているのでしょう。10年の純生存率は、多くのがんで、治癒率に近い数字といえます。

 たとえば、前立腺がんはステージ全体で8割を超え、甲状腺がんは同9割超ですが、肺の小細胞がんやすい臓がんなどは6%ほど。がんによる治療成績の違いが色濃く出ています。

 しかし、難治がんとして一般にも知られるすい臓がんも、ステージ1なら3割です。つまり、3人に1人は10年以上生きていることになります。5年生存率よりも、10年生存率の方がより早期発見の大切さが分かりやすいかもしれません。

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