(24)言い合いになるのが嫌で父への連絡は必要最小限となっていた

公開日: 更新日:

 いずれ訪れる母の退院に備えて、地域包括支援センターとのやりとりが続いていた。最良の選択肢として看護小規模多機能型居宅介護(看多機)という制度を教えてもらい、実家の近くにその施設があることも知った。

 介護度によって利用できるサービスが大きく変わるため、認定結果を待ちながら、父と母のこれからの生活をどう成り立たせるか、複数のパターンを考えていた。しかし、結果を知らせる封書が届いたという父からの連絡は一向に届かない。

 これくらいには来るだろうと予測していた日を過ぎ、年末が近づいてきた。あまりにも遅いと感じ、役所に問い合わせると、そもそも書類が届いていないという。まさか。病院に確認すると、なんと、事務局で保管したままになっていたことがわかった。ミスで、提出そのものがなされていなかったのだ。あまりのことに言葉を失った。

 その少し前、11月の終わりに父は84歳の誕生日を迎えていた。しかし、母の件で言い合いになるのがいやで、私はお祝いのメールも送らず、電話もかけなかった。私からの連絡は、ここしばらく介護認定の確認という用件に限られていた。父はどう感じていただろうか。誰よりも家族の記念日のイベントが好きだったのに、今は母も家におらず、娘から「おめでとう」の連絡すらないとは。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 4

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  5. 5

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  1. 6

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  2. 7

    「続・続・続」待望の声続々!小泉今日子&中井貴一「最後から二番目の恋」長寿ドラマ化の可能性

  3. 8

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  4. 9

    旧ジャニーズ「STARTO社」福田淳社長6月退任劇の内幕と藤島ジュリー景子氏復権で「お役御免」情報

  5. 10

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇