著者のコラム一覧
最上悠精神科医、医学博士

うつ、不安、依存症などに多くの臨床経験を持つ。英国NHS家族療法の日本初の公認指導者資格取得者で、PTSDから高血圧にまで実証される「感情日記」提唱者として知られる。著書に「8050親の『傾聴』が子供を救う」(マキノ出版)「日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる『感情日記』のつけ方」(CCCメディアハウス)などがある。

親が身につけるべき「正しい話の聞き方・伝え方」10の原則~⑩

公開日: 更新日:

 この連載をここまで読まれた親御さんは気づかれているかもしれませんが、親子のコニュニケーションが行き詰まる背景には、親子のやりとりの中で、親である自らに喚起された「わが子の行く末や将来への不安」、「親として思うようにならない悲しさ」といった湧き上がるつらい感情に巻き込まれる──といったものが存在します。そのため、子の気持ちなど配慮する余裕がなくなり、無意識のうちに自らがつらさから抜け出すことを優先してしまっているのです。

 親御さんは、そのために「叱る」「正論を言う」といった先制攻撃を浴びせて自らの感情に蓋をすることに必死で、子の心など目もくれていないという現実に気づき、そのような自分の感情ファーストから、子の感情ファーストに切り替える必要があるということなのです。

⑩「親の感情ファースト」にならないように最大限の注意を払う

 ある19歳の大学生の男性Bさんのケースです。Bさんは大学に行けなくなり、自宅にひきこもりのような生活に陥っていました。親子の会話が最低限しかないBさんが、こんな話をしてくれました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波