(1)日本人の50人に1人が該当…若年層と高齢者に多い
今回の調査で外斜視が67.3%と最も多く、次いで内斜視26.0%、上下回旋斜視6.7%ということもわかりました。なお、上下回旋斜視は成人が圧倒的に多く(19歳未満1.4%、19歳以上10.2%)なっています。
これまで不十分だった斜視の実態把握が、この調査でだいぶつかめるようになったそうです。
「斜視の主な症状は、ものが二重に見える(複視)、ものが立体的に見えない、遠近感がつかめない、両眼視力の低下などです。また、斜視と似た斜位(隠れ斜視とも呼ばれ、片眼を隠すと隠している方の目がずれてしまう)では、眼精疲労や頭痛、吐き気、斜頚(首が傾く状態)の原因になります」(宮田講師)
日常生活でも支障をきたす場合があり、たとえば、車の運転中にセンターラインが二重に見えることで、事故につながる危険もあるそうです。
子どもの場合は弱視や視力低下、さらに重大な病気が隠れていることもあり、早期発見が大切です。
「斜視患者さんへのアンケート調査では、斜視があるために異性間の友達づきあいに支障がある人の割合や、悪いセルフイメージ(コンプレックス)を持つ人の割合が青年期以降で増加することも報告されています」(宮田講師)