患者にフィットした「車いす」が回復のために重要なのはなぜか
車いすが必要な患者さんの場合、起きている間は車いすに座って過ごす時間がいちばん長いため、車いすがしっかりフィットしていなければ、快適な姿勢を保つことができずに起きていられなくなってしまいます。そのため、先ほどお話ししたさまざまな計測に加え、足や体幹をサポートするためのさまざまなパーツの調整も行います。
また、一般的なモジュラー型の車いすを使用している軽症の患者さんの場合、座るだけではなく、「移動」についても考慮しなければなりません。車いすで自走などの移動をするとどうしてもポジションが崩れてしまうので、動いたときでもよりよい姿勢が保てるようなセッティングが大切になります。
さらに、毎日、朝起きてから半日近く車いすに座って過ごしますから、褥瘡=床ずれができないように管理することも重要です。そのために、体圧測定器を使って、座ったときにどこにどれくらいの圧力がかかるのかをチェックして、高い圧力がかかっている部分を特定し、圧力が分散するようにクッションを替えるなどして対応します。褥瘡ができない状態で、よりよい姿勢を保てるように調整するのです。