著者のコラム一覧
永尾光一一般社団法人日本精索静脈瘤協会代表理事、医療法人社団マイクロ会理事長、 銀座リプロ外科院長、東邦大学名誉教授

1960年生まれ。埼玉県出身。昭和大学で形成外科学を8年間専攻後、東邦大学で泌尿器科学を専攻。東邦大医学部泌尿器科学講座教授、医学博士・泌尿器科専門医、男性不妊治療・精索静脈瘤手術の第一人者。 一般社団法人日本精索静脈瘤協会医療法人社団マイクロ会理事長。

男性不妊の検査は産婦人科ではなく泌尿器科でしかできない理由

公開日: 更新日:

「頻度は多くないものの、男性不妊症の診療中に精巣腫瘍(セミノーマなど)を発見することもあり、その場合は速やかに泌尿器科へ紹介しています。こうした連携体制が整っていれば、特別な問題は生じません」(神山院長)

 こうした状況を改善するには、夫婦が同時に初期検査を受けられる体制の整備が不可欠だ。女性は産婦人科で、男性は泌尿器科で、それぞれ専門的な検査を受けることで、原因の特定と治療方針の決定がよりスムーズに進む。また、泌尿器科と産婦人科が同一施設内にある必要はなく、診療科同士が連携することが重要である。

「日本生殖医学会認定の生殖医療専門医の数を比較しても、産婦人科専門医の方が圧倒的に多く、泌尿器科専門医の数はとても少ないようです。泌尿器科の先生で男性不妊症を専門にされている方の数は少ない。開業する前に勤務していた総合病院の泌尿器科でも不妊症は殆ど診療していませんでした。生殖医療専門の泌尿器科の先生を急に増やすことは難しいと思います。私はご縁があって男性不妊症の診療を指導いただく事が出来ましたが、普通に産婦人科医として勤務していると自分で男性の診察をすることはありません。男性不妊症診療の入り口は、産婦人科を専門とする生殖医療専門医が診療することが必要と思います。そのためには、学会などが主導して産婦人科医、泌尿器科医双方が相互の施設で研修できるような制度があったらよいと思います」(神山院長)

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