腸はなぜ「第二の脳」と呼ばれるのか…体をうまく機能させるには腸を整えることが不可欠

公開日: 更新日:

 腸内の情報は複数のルートで脳に伝えられる。例えば腸内細菌が作り出した代謝物が血液を介して脳に届けたり、腸内分泌細胞にホルモン分泌を促し、そのホルモンにより脳に届けたりする。ただし、こうした伝え方は時間がかかる。

「ところが近年になって腸の情報をダイレクトに脳に伝える仕組みが発見されたのです。それが『ニューロポッド細胞』です」

 ニューロポッド細胞は、腸管内に存在する特別な分泌細胞で、電気的に興奮し、ホルモンと神経伝達物質を同時に分泌して、エネルギー源となるブドウ糖やショ糖を腸管内で吸収した情報を求心性迷走神経を介して速やかに脳に伝え、摂食行動や満腹感の調整に関与する。実際に腸に直接ブドウ糖を投与したマウス実験でそれが確かめられている。

「この細胞が面白いのは舌では見分けのつかない甘味の違いを、分泌する神経伝達物質を変えることで他の栄養素の情報とは別ルートで素早く脳に知らせることです。ヒトは砂糖も人工甘味料も同じように甘く感じますが、カロリーのある砂糖を好むのはこの細胞によるものだといわれています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理