(2)有用成分を次々に生む「菌のリレー」がポイント
糖化菌とは、炭水化物を糖に分解する菌のことだ。
「第2ステップでは、その糖類を乳酸菌やビフィズス菌が食べ、乳酸や酢酸を産生します。乳酸菌は乳酸を産生し、ビフィズス菌は乳酸と酢酸を産生します。これが重要です」
「乳酸」は腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が増えすぎるのを防ぐ。「酢酸」は短鎖脂肪酸の一種で、腸のバリアー機能を強化するなどの有用な成分だ。腸内ではビフィズス菌が乳酸と酢酸を多く産生する。
「そして第3ステップでは、プロピオン酸菌が乳酸を、酪酸菌が酢酸を材料にして、プロピオン酸と酪酸を作ります」
これらも健康効果の高い短鎖脂肪酸だ。
ここでとくに重要な役割を担っているのが、第2ステップのビフィズス菌だ。短鎖脂肪酸の中でも健康効果の高い酪酸を産生する酪酸菌は、酢酸をエサにするが、酢酸を腸内で作る代表的な菌はビフィズス菌だからだ。
「日本人の腸内細菌叢のうち、ビフィズス菌は10~15%を占めるといわれています。私たちの調査でも10%と出ています。これは世界的に見るとかなり多く、日本人の健康長寿との関連性が指摘されています。ただよく見てみると個人差が大きく、50%の人もいれば、数%の人も結構な割合でいます」