著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(2)エンゲル係数の一時抑制は栄養改善につながらない

公開日: 更新日:

 為替も日本の食料事情を大きく左右します。日本はコメ以外の農畜産物の多くを輸入に頼っています。つまり円安になれば、われわれの食事は栄養価に乏しいものになり、円高に振れれば“もっといいモノ”が食えるようになる、という構図です。

 しかし高市内閣は、いまのところ「円安容認」の姿勢を続けています。輸出産業にはプラスですが、食料・栄養問題にはマイナスに作用します。

 国民栄養の低下リスクの最大の被害者は子供たちです。高市首相は小学校の給食の無償化も約束しています。子供を持つ家庭にとっては朗報かもしれません。しかし無償化だけでなく、栄養状態の改善に目を向けるべきでしょう。唐揚げ1個、餃子1個のおかずが出てくるいまの学校給食は、あまりにもお粗末です。

 第2次世界大戦中に深刻な食糧難を経験したオランダの子供たちが、成人以降に糖尿病や心疾患を多く発症したことは、よく知られている事実です。日本でも小中学生の給食が将来の健康と関係するとの複数の研究があります。国民の健康寿命を改善するためには、まず子供の栄養について、もっと配慮すべきです。

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