(4)広がる混合診療…薬はあるのに使えない患者が増えている
保険診療と自由診療を組み合わせたものを「混合診療」と呼びます。たとえば通常のがん治療にプラスして、国内では未承認の薬(その費用は患者が全額負担)を使う、といったことです。ただし日本では混合診療は認められていません。それは「すべての人に医療を」という理念に基づいて所得や職業に関係なく、平等に医療を受けられる権利を保障する国民皆保険制度に反するからです。
しかし最近、それに近い状況が増え続けているのです。主な原因は、バイオ医薬など新しいタイプの薬の登場です。前回述べたオプジーボはそのひとつですが、近年、がん以外の慢性疾患に有効な高額な医薬品が続々と登場してきているのです。
たとえば関節リウマチ。最初はメトトレキサートという、昔からの安価な薬が処方されます(3割負担で3000円/月程度)が、2~3カ月で改善しなければ、バイオ医薬やJAK阻害薬の併用が始まります。その費用は薬の種類にもよりますが、3割負担で2万~4万円/月といったところです。
重症の喘息患者に使われるバイオ医薬もかなり高価です。メポリズマブやベンラリズマブという薬は、1カ月分で約18万円。患者負担は約5万4000円です。


















