(8)法制度のはざまに落ちた患者…弁護士事務所に置き去り
今年4月の地裁判決は、精神保健福祉法21条に定める「任意入院者の退院申出」について、「即時退院の申出」と、「退院後の環境が整ったことを前提とした申出」の2種類があるとしたうえで、院長が今回の退院請求を即時退院と認識したことは無理からぬ面があるとして、弁護士側の請求を棄却した。
弁護士側は4月控訴。理由書では、当日の宿も決まっていない患者を弁護士事務所に事前の協議もなく連れて来ることは社会通念上、非常識であることは明らか。調整を早くしてもらおうと退院請求したのに、弁護士らに確認すべきところを怠り、誤解したまま調整未了で退院させて置き去りにしたことは、精神保健指定医として極めて重大な過失があると主張している。
精神科病院の入院患者は、病院を住所とするケースも少なくなく、退院後の住居が決まっていないと路頭に迷ってしまうこともある。
(和田明美/ジャーナリスト)
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▼精神保健福祉法21条
精神科病院の管理者は自ら入院した精神障害者(任意入院者)から退院の申し出があった場合、退院させなければならない。この場合、精神保健指定医による診察で医療および保護のため入院を継続する必要があると認めたときは72時間に限り、退院させないことができる──と定めている。



















