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【高級料理包丁・打刃物一式 東源正久】ルーツは源氏の刀鍛冶

 東京・築地を拠点とする日刊ゲンダイが毎週末、地域密着型の粋な情報を紹介する「築地新聞」。今回は鮪包丁の“生みの親”――。

 ストーリーのある包丁に出合いました。明治5(1872)年創業の包丁専門店「東源正久」さん。魚河岸のお膝元で、料理人の命ともいえる一本を手がけています。

 代々源氏に仕えた大阪の刀鍛冶「源正久」の次男・中村鉄二郎氏が、東京日本橋で出刃(包丁)鍛冶の看板を掲げ、東の源正久こと「東源正久」を名乗ったのが始まりだそう。本家は大阪中央卸売市場内にある「源正久商店」。大阪の本家同様、築地の東源正久は、複数いた源氏の刀鍛冶師の中でも手腕を買われた職人の伝統技術と精神を継承する直系というわけです。

 4代目当主の小川由香さん(47)にお話を伺いました。

「10代のころから奉公していた私の祖父の五郎左衛門が2代目を務め、父の三夫が3代目、そして私が4代目を継がせていただいています。祖父と父は経営者であり、鍛冶職人でしたが、私は帳場専門。鍛冶場は女人禁制の世界。しめ縄が飾られた鍛冶場への出入りは幼いころから禁じられていました。我が家の教育方針は、『自分の好きなことをやりなさい』。その教えにならい、兄は中世フランス文学の学者となり、私が店を継ぐことに。父から強要されたことは一度もありません。でも、なんでしょう。日本舞踊の師範になったり、好き勝手にやらせてもらってきましたが、最終的に継ぐ運命だったのかなあって」

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