没後100年…漱石作品から「生き方のヒント」を再び学ぶ

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「一見、人のやることなすことに文句ばかりの偏屈に見えますが、正直で嘘が嫌いな江戸っ子気質の坊ちゃんには世の中のしきたりが不思議で仕方ない。皆がスルーするようなことを指摘するものだから、当然、人間関係はうまくいきません。それで落ち込んでいるとき、ふと下女の清を思い出します。そして自分は間違っていないんだ、と確信している正直さを常に褒めてくれていた清を、立派な人だと思う。つまり、自分を認めてくれた人を評価することで、自分を肯定するんですね。壁にぶつかったときに、ぜひ、活用したい手法です」

■非人情になることで、第三者の目を持つ

「草枕」

 俗世から離れようと旅に出た画家は、出会う人たちを自然の点景と見ることを決める。智に働けば角が立つ――という冒頭が有名。

「この話には筋がなく、主人公の画家の印象に残った場面を文章でスケッチしたような感じです。この世に生きにくさを感じた画家は、物は見ようによってどうにでもなると考えた。それで、自分の感情を持ち込まない“非人情”になって見ていきます。そうすることで、物事が客観的に見えるというわけです。人は悩みの渦中にあると、自分の心理を通して物事を見てしまいます。ただそれが、事実とは限りません。少し距離を置いて見ると、案外、笑える要素や、新しい発見があるもの。うまく生きることの出来なかった漱石ならではの方法ですね」

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