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JR事故訴訟 「賠償責任なし」でも救われぬ認知症患者の家族

 認知症男性の家族に対する賠償責任が争われた裁判で、最高裁判所は1日、JR東海の訴えを退ける判決を言い渡した。男性の死亡事故による振り替え輸送にかかった費用などは、JR東海の持ち出しとなる。

 認知症の老親を持つサラリーマンにとっては、他人事と思えない裁判だった。午後の判決言い渡しが気になって、仕事が手につかなかった人も多かったのではないか。

 認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になる高齢者は年間1万人を超える。警察庁によると、2014年には、不明者の429人が死亡していた。今回のケースのように、線路に立ち入り人身事故を起こしたケースも、この10年で130件以上発生している。家族がちょっと目を離したスキにいなくなり、列車を止めてしまうケースは、決して珍しくないのだ。

 家族側代理人の弁護士は、同じように認知症患者を抱える人たちにとって、「判決は救いになった」と強調した。むろん、「責任あり」となっていれば、在宅看護をバンザイせざるを得ない人たちが続出したかもしれない。「画期的な判決」(代理人弁護士)と評するのも分かる。

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