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【イワシのうまみ焼き】「苦みもうま味」を実感

板前料理福重(宮崎・宮崎市)

「魚はハラワタの苦味がうまいんですよ。それを知ってほしいんです」

 と、話すのは包丁一筋47年、魚という魚を知り尽くした福重さんだ。ハラワタ独特の臭みはなく、むしろ苦味が風味となり、味噌の香りとマッチしている。

「普通にハラワタを食べるより、苦味も抑えられているでしょ? みりんを入れて苦味を少し飛ばしているからです」

 イワシを丸ごと2匹使うが、調理法はいたって簡単。包丁を使うのはウロコを引いて頭を落とすのと、ハラワタを叩いて身を一口大に切るところまでだ。

「頭を取ったイワシの腹を割いてハラワタを指でかき出したら、そのまま手で開きにします。内臓はすべて使います。包丁を使わずに手開きの方が、骨が奇麗に取れる。ハラワタは少量の味噌と砂糖を混ぜて、フライパンで空いり。それをドロッとかけられるくらいの粘度に酒でのばす。ハラワタの脂があるので、油を使う必要はありません」

 福重さんはイワシを素焼きにしたが、「揚げてもよし。サンマを使ってもおいしく作れます」とのこと。味噌は何でもいいが、やはりここは福重さんも使用している合わせ味噌を使いたい。

《レシピ》
・イワシ       2匹
・味噌      大さじ1
・みりん     小さじ1
・砂糖     ひとつまみ
・酒         適量

 開いたイワシは一口大に切って、調味料などは一切つけずに素焼き。ハラワタは包丁でみじんに叩いて、味噌、みりん、砂糖と一緒にフライパンでいる。それを酒でのばして焼いたイワシにかける。

今日の達人 福重浩さん

▽ふくしげ・ひろし
 宮崎県都城市出身。高校の調理科を卒業後、大阪から南は鹿児島まで、西日本を中心に修業。しかし、「どこに行っても宮崎の食材が頭をよぎっていた。結局、日向灘の魚にかなうものはなかった」と見定めて、帰郷。30歳で独立して「福重」を構え、今年で32年目になる。 

▼福重
 日向灘で取れた新鮮な海の幸が自慢の板前料理店。メニューはなく、コース中心で、料理はその日の仕入れ状況次第。「だからこそ、海の食材は面白い」(福重さん)。予算に応じた注文も可能。プロ野球選手やプロゴルファーらにもファンが多い。
宮崎県宮崎市千草町8―6 ℡0985・28・8196

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