奥野修司
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奥野修司ノンフィクション作家

大阪府出身のノンフィクション作家。2006年、「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。著書に「ねじれた絆」「魂でもいいから、そばにいて」などがある。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「怖い中国食品、不気味なアメリカ食品」(講談社文庫)も。

日本の農産物はまるで工業製品 2割は規格外で廃棄処分に

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 50代以上の方なら覚えているかもしれないが、昔のキュウリと今のキュウリはまったく違ったものだった。

 今売られているキュウリは、表皮が黒光りして皮が厚く、硬い。ところが80年代までは、皮が薄くてブルーム(果粉)と呼ばれる白い粉がついたキュウリが主流だった。ブルームは食べても問題はないし、洗えば簡単に落ちるのだが、ついた跡がまだら模様になるため、一部の消費者から、農薬のせいではないかと疑われたのである。

 さらにこのキュウリは皮が薄いから日持ちが悪い。つまり長時間輸送に不都合だった。そこで、かぼちゃの台木にキュウリの苗を接ぎ木してブルームのないキュウリを作った。これが今のキュウリである。

 味は比較にならないほど落ちる。それでも形が曲がらず、黒光りして、白い粉がつかないキュウリは消費者に喜ばれた。深緑色のホウレン草と同じで、味がよくなくても、見た目がよければ売れたのである。

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