田丸昇
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田丸昇

1950年5月5日、長野県東御市生まれ。元日本将棋連盟理事。中学生で奨励会入りし、佐瀬勇次名誉九段の門下生となる。長髪から「ライオン丸」というニックネームで知られた。16年10月に現役引退。近著に「名棋士の対局に学ぶ 詰め&必死」(創元社)がある。

作家・渡辺淳一さんの棋力は初段程度 棋風は“鈍重”だった

公開日: 更新日:

 1975(昭和50)年の春、私(当時25=五段)は将棋好きの友人の紹介で、作家の渡辺淳一さん(写真左=田丸撮影、同41)の自宅を訪れた。

 渡辺さんは、札幌医科大学で整形外科医として勤めていたころから将棋を愛好していた。後年に作家に転身してからは、出版社の編集者、前記の友人らを自宅に呼び、定期的に将棋会を開いていた。

 メンバーの平均棋力は初段ぐらい。「形勢がいいからお酒がうまい」「金は立っちゃいかん」などと言いながら、和気あいあいの雰囲気で指していた。トン死を食って悲鳴をあげる、といった光景もよく見られた。

 渡辺さんの棋風は、一口で言えば鈍重。奇手やハッタリを用いず、地味な手を積み重ねて頑張りぬいた。敗勢になると「さあ、どうやって醜くのたうちまわって死んでやるか」とぼやいたが、そんな局面でも将棋を楽しんでいた。

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