牧野伊三夫
著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

学校が休みになると泊りに行った「若松、いまむかし」

公開日:

 北九州市の西の端に、玄界灘に突き出した若松という町がある。トマトやスイカの名産地として知られていて、ここに僕の母方の祖父母の家があった。子供の頃は学校が長期の休みになるたび数日間、泊まりがけでその家へ遊びにいったが、祖父母と一緒に海でウニやアワビをとったり、薪で風呂をわかしたりした思い出のある僕には懐かしいところだ。

 祖父母もいなくなり、その家ももうないので、しばらく足が遠のいていたが、この頃、若松に「丸ちゃん」といううまい焼き鳥屋を見つけて、そこで飲むために出かけていくようになった。ガラガラと引き戸を開けて入る、昔ながらの落ち着いた雰囲気の店だ。何代目かになる女将が丁寧に串に刺した鶏のもも肉、ささ身、豚バラ、イカなどを焼いてくれる。座敷からは地元の名士たちの宴会の声が聞こえてくる。

 若松へは、鹿児島本線の戸畑駅で降りて、そこから少し歩いて洞海湾を船で渡って行くのがいい。わずか3分の航路だが、潮風をかぎながら、頭上に巨大な鉄の赤いつり橋が見えてダイナミックな景色を楽しむことができる。この橋は1962年に日本の大橋建設第1号として架けられた「若戸大橋」。潮風も気持ちいい。船を降りると渡し場の近くの恵比須神社で「今日もうまい酒が飲めますように」とお参りをして、銭湯でひと風呂あびて丸ちゃんへと向かう。

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