小野員裕さん<2>AVのレビューで文章力を磨いた出版社時代

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 小野さんは89年、「MG出版」の同僚だった編集者の誘いで、「芸文社」に転職する。

「先に芸文社に転職していた同僚が『人手が足りないから手伝ってくれ』というので、あまり考えずに移りました。今でも思い出すのは、初出勤の出来事です。9時半に来てくれというから出社したのにシャッターが閉じていて中へ入れない。仕方なく、近くの喫茶店で暇をつぶしていたら、しばらくしてから部長がやってきて、ガラガラとシャッターを上げていた。誘ってくれた友人も社長に向かって、『ふざけるな、コノヤロー』なんて叫んでいる。昔の出版社というのは、こんな具合に豪気なものでした」

 芸文社に来てからは月1冊のペースで新刊本を出版していたという。

「主に犯罪心理学の本を編集していましたが、『猪木とは何か?』というタイトルのムック本や『クラッシュ・ギャルズ』の写真集なども手がけていました。クラッシュの出版記念のサイン会を行うと、女性ファンが長蛇の列を成し、その整理がこれまた大変。ただ、あの頃でひとつ残念だったことがある。ウルトラマンについて学者たちに大真面目に論考してもらう企画を会社に提案したのですが、オタク過ぎると却下されてしまったのです。怪獣の死体処理や科学特捜隊の採用はどう行われているかなどを検証する内容ですが、結局、他社から『ウルトラマン研究序説』というタイトルで出ています。その後も類似のウルトラマン本が大ヒットしましたから、おしいことをしました」

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