山形県南陽市「赤湯温泉」開湯900余年をひとり湯で味わう

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 たまにはひとりで温泉へ。そんな時は山奥の秘湯より駅近の街場の温泉のほうが気軽でいい。開湯900余年を誇る山形県南陽市の「赤湯温泉」は東京から新幹線でわずか2時間半。束の間、喧騒から逃れるのにちょうどよい距離だ。

 山形新幹線の赤湯駅から温泉街までは車で5分。宿に荷物を置かせてもらい、まずは街へ繰り出した。

 赤湯といえばラーメンだ。山形県は日本有数のラーメン消費県で、赤湯エリアにもラーメン店が多数ある。有名なのは辛みその「龍上海」だが、並ぶし、脂コッテリで中年オヤジの胃には少々ヘビー。

 そこで宿オススメの「ほとり」(℡0238・43・7001)へ。地元民向けのこぢんまりとした店で、味は醤油・味噌の2種類。トッピングは南蛮(辛みそ)・チャーシュー。今回は「味噌南蛮らーめん」(750円)を注文。激辛を覚悟したが、意外や辛さはほどほど。煮干しの効いた和風スープも優しく、まさにオヤジ好みだった。

 食後は昭和25年創業の喫茶店「田園」(℡0238・43・2443)へ。昔ながらの酸味の効いたコーヒーで人心地ついた。

 その後、近くの「烏帽子山公園」を散策。春は名所100選の桜が咲き乱れるそうだが、冬の寒々とした木立もまた風情アリ。継ぎ目なし・石造りとしては日本一の大鳥居がある「烏帽子山八幡宮」をお参りして、再び温泉街へ。

 今回のお目当ての一つがワイナリー。古くからブドウの産地である南陽市は、生食用・加工用さまざまな品種を栽培。山形県にある11のワイナリーのうち、4つが赤湯に集まる。

 昭和15年創業の「佐藤ぶどう酒」(℡0238・43・2201)は路地裏に小さな工場と直売所があり、試飲もできる。人気商品の「金渓ワイン」は、江戸時代に金が取れた沢に創業者がぶどう畑を開墾したことが由来だとか。土産に赤の小瓶を1本購入した。

築350年の屋敷に古さと新しさが混在

 午後4時前、今回の宿「山形座 瀧波」(℡0238・43・6111)で草鞋を脱いだ。築350年の庄屋屋敷を一昨年リノベーションした館内は、古さと新しさが混在した不思議と居心地の良い空間。ずんだ餅と地酒、花笠踊りという山形らしいレセプションに思わず頬がゆるむ。

 部屋は3タイプ全19室。全てに露天風呂が付く。今回はリッチに、蔵をリノベーションしたメゾネット式の「KURA02」(1泊2食・1人利用5万2800円~)に泊まることに。

 さっそく部屋の露天風呂へ。蔵王石をくりぬいた湯船はひとりで入るには十分すぎる広さ。湯の温度も絶妙。タンクではなく源泉から直接引く温泉は、湯船の底から湧き出させているので一切空気に触れず、新鮮そのもの。もちろんかけ流し。この湯を独り占めできるだけでも来た甲斐アリだ。

 一休みしたら夕食会場へ。カウンター式のライブキッチンで、シェフが目の前で調理・解説しながら、山形の郷土料理をコース仕立てで供してくれる。ワイン・地酒のラインアップも豊富。今回は料理ごとにオススメの地酒をマリアージュしてもらったが、山形の自然を目と舌で存分に堪能できた。

 翌朝は早起きして、宿のオプションツアーに参加。車でパラグライダーの聖地「十分一山」に登り、頂上の展望台から絶景を望んだ。

 宿に戻り、冷えた体を温泉で温めたら、地元自然食材づくしの朝食。そしてもうひとっ風呂浴びて朝寝。これぞひとり温泉の醍醐味ナリ!

(取材・文=いからしひろき)

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