田中淳夫
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田中淳夫森林ジャーナリスト

1959年生まれ。静岡大探検部を卒業後、出版社、夕刊紙を経て森林ジャーナリストに。「森は怪しいワンダーランド」(新泉社)、「鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵」(築地書館)など著書多数。

「美しい」と感じることは「生きるためのセンサー」だ

公開日: 更新日:

 森を歩いていると、いきなり伐採現場に出てしまうことがある。施設をつくるのか、道を延ばすのか。林業地でも間伐ではなく、山の木全部を切る皆伐の現場に出くわすことが増えた。

 木が切られただけでなく、重機が走り回って赤茶けた土がむき出しになった光景は痛々しい。残念な気持ち、いや怒りが込み上げてくる。森を歩いて癒やされる気分が吹っ飛び、暗い感情が湧き上がってくる。

 伐採だけではない。木はあっても目を背けたくなる森もある。長く放置されたのか林内が真っ暗な状態で、木は貧弱なままで立ち枯れたものも多い。地表に折れた木が転がり、草も生えず表土は流されて岩がむき出し。そこに産廃ゴミが不法投棄されている……そんな森も少なくないのだ。

 森なら何でも癒やされるわけではなく、質が重要だ。

 100年以上前、ドイツで「森林美学」(ザーリッシュ著)という本が出版されて反響を呼んだ。内容は林業のあり方を論じているのだが、強調されたのは「美しい森をつくる」ことだった。

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