田中淳夫
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田中淳夫森林ジャーナリスト

1959年生まれ。静岡大探検部を卒業後、出版社、夕刊紙を経て森林ジャーナリストに。「森は怪しいワンダーランド」(新泉社)、「鹿と日本人 野生との共生1000年の知恵」(築地書館)など著書多数。

あえて道から少しだけ外れて…たまには“遭難”してみよう

公開日: 更新日:

 今回は森歩き上級編。

 いつも同じ森の同じルートを歩くと、目にする景色も同じになる。そこで提案するのがちょっと「遭難」してみること。

 とはいえ本当に遭難しては世間さまに迷惑をかける。試したいのは、道から少し外れること。森の中でも道には人の気配が漂う。整地されて階段や橋が設けられたり、標識があるからだ。また、足跡もあればゴミも落ちている。そこで、人工物のない場に身を置いてみるのだ。

 そこで道から脇に足を踏み入れ森の中に入る。草木をかき分けて少し奥に進んで、道が見えなくなる場所まで行こう。それだけで人間社会から隔絶した気分に浸れる。そして、自分は「遭難」したのだと想像する。ちょっと不安。ちょっとワクワクする……はずだ。

 私が初めて道から外れて「遭難」を味わったのは、富士山麓の樹海・青木ケ原である。登山道を進んでいたのだが、樹海といえば自殺の名所。磁石も利かない、一度入ったら抜け出せない……と伝えられている。そんな樹海を味わってみようと軽い気持ちからだった。

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