牧野伊三夫
著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

野草の味を教えてくれた祖母 棕櫚の葉を束ね箒まで作った

公開日: 更新日:

 野草の味を僕に教えてくれたのは、大正生まれの母方の祖母だった。子どもの頃には山へ行って、ワラビは茎の下の方から上の方へと指でつまみながら曲げていき、ポキンと折れるところで摘むのだと教わった。手を後ろに組んだ祖母について、のんびりと九州の山道を歩いた記憶が懐かしい。

 祖母は晩年、祖父が亡くなったあと上京して、長女だった君津の叔母の家に住んでいたのだが、ある年の春、ひょっこり武蔵小金井の僕の家に遊びに来た。そして、そのまま3カ月ばかり居たことがあった。どうやら居心地が良かったらしい。

 小さな戸建ての借家だったが、1階の8畳間でちゃぶ台を出して食事を取り、毎晩一緒に晩酌をした。夕食を終えるとちゃぶ台をあげて、この部屋に祖母の布団を敷くのだが、それからが彼女のお楽しみの時間で、枕元に小さなラジオを置き、「ラジオ深夜便」を聴きながら寝るのである。僕は2階の自室で、窓から月なんぞ眺めてウイスキーを飲んでいた。

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