自然豊かな鹿児島県霧島市 黒グルメ&温泉で健康になる旅

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 天孫降臨神話の舞台として知られる霧島市。海山に囲まれた自然の豊かさ、温泉の豊富さ、東京からのアクセスの良さなどから、観光客だけでなく移住者も増えている。かの地の何が人々を魅了するのか。訪ねてみたら「健康」というキーワードが浮かんできた。

 羽田空港から鹿児島空港までは約1時間50分。そこはもう霧島市で、市内のほとんどへ車で30分以内に着ける。今回は「グルメ」と「温泉」にしぼって巡ってみた。

 まずはグルメ。鹿児島といえば〈黒豚〉だ。霧島神宮に近い永水地区の「産直レストラン 黒豚の館」(℡0995・57・0713)では、かごしま黒豚の中でも最高峰と称される「霧島高原純粋黒豚」が食べられる。運営会社の平邦範社長は、「霧島山麓の清らかな湧き水とサツマイモに麹菌を混ぜた独自の飼料でじっくり育てた黒豚は肉質が違う」と胸を張る。

 1番人気は弾力のある赤身とジューシーな白身(脂身)が一度に味わえる「黒豚特上ロースかつ定食」(税込み2500円)。しゃぶしゃぶ用の肉をミルフィーユのように重ねて揚げる「黒豚しゃぶかつ定食」(同1600円)も捨てがたい。

 健康調味料の〈黒酢〉は実は霧島市が発祥。名産地・福山地区にある「坂元醸造」は、陶器のつぼに蒸し米と米麹、地下水だけを入れ、外に置いて1年以上かけて発酵・熟成させる伝統製法を守る。

 そのつぼがズラリ並ぶ風景を眺めながら、黒酢と相性のいい中華料理を楽しめるのが「くろずレストラン壺畑」(℡0995・54・7700)だ。イチ押しは坂元の黒酢を使った「特製酸辣湯麺」(税別900円)。

 辛さと酸っぱさはほどほどながら、汗がドバッ! なのは新陳代謝がアップした証拠?

 黒豚、黒酢ときたら、〈黒麹〉で仕込む(ちょっと強引か?)鹿児島の焼酎だ。国分平野の田園地帯にある「中村酒造場」(℡0995・45・0214)は、1888(明治21)年の創業以来、手造りを貫く。

 作業場にはエアコンがなく、麹の仕込みからもろみの発酵まで自然換気のもとで行う。原料に使うサツマイモの皮むきも手作業。6代目の中村慎弥さんは「材料の傷んだ部分を丁寧に取るため。自然に近い環境で手間をかけて造ると、甘味とやわらかさが違います」。

 銘柄はスタンダードな「玉露」と、麹米にこだわった「なかむら」の2本柱。蔵では小売りしないので、購入は車で10分の「万膳酒店」(℡0995・45・0112)で。

 市内に4つの温泉郷がある霧島市。中でも「日当山温泉郷」は西郷隆盛がもっとも足しげく通った鹿児島屈指の名湯だ。地元で楽しまれているのが“家族湯”。休憩スペース付きの風呂を個室で借りるスタイルで、さまざまな趣向の家族湯施設が点在。

 そのうちのひとつ、「かれい川の湯」(℡0995・54・6060)を訪ねた。部屋は内風呂のみのくつろぎタイプ(1時間1300円)、内風呂と露天風呂が1つずつのゆったりタイプ(90分2600円)、内風呂2と露天風呂1のやすらぎタイプ(90分3600円)の3種類。一番高い部屋でも家族4人なら1人900円だ。

 今回はゆったりタイプの「おしどり」を利用。大きな内風呂は毎回源泉を入れ替えるので清潔かつ新鮮。そばを流れる天降川のせせらぎを聞きながら、自分だけのぜいたくなひと時を楽しめた。

 江戸時代から“入れば傷を癒やし、飲めば胃腸など内臓を健やかにする”と評判の「関平温泉」。地元民が霧島山麓の足元の悪い源泉までくみに行くのを見かね、昭和51年に当時の町長が販売所を整備。現在は市営の「関平鉱泉所」(℡0995・78・2355=地図⑥)として、ドライブスルーも完備する。

 所長の徳永健治さんは、「驚くほどミネラルが豊富。特に美容成分のシリカの含有量は世界トップクラス」という。値段は20リットル1000円ほか。すぐそばの市営「関平温泉」(℡0995・78・4012/大人310円)では源泉の湯に入れる。

 霧島温泉郷の丸尾温泉「旅行人山荘」(℡0995・78・2831)は創業102年の老舗旅館。一番の魅力は多彩な風呂だ。

 男女入れ替えの2つの大浴場はともに露天風呂から桜島を一望。4つある貸し切り露天風呂は個性豊かで、特に人気の「赤松の湯」は森と一体になった気分が味わえる。足湯と飲泉所もある。単純温泉と硫黄泉の2つの源泉に交互に入れば、日々の疲れが吹き飛ぶこと請け合いだ。

(取材・文=いからしひろき)

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