牧野伊三夫
著者のコラム一覧
牧野伊三夫画家

1964年生まれ。画家。美術同人誌「四月と十月」同人。著書に「かぼちゃを塩で煮る」(幻冬舎)、「僕は、太陽をのむ」(港の人)ほか。北九州市情報誌「雲のうえ」、飛騨産業広報誌「飛騨」編集委員。

盤に駒を置く音が好きで将棋盤「カルデラ」を作ってみた

公開日: 更新日:

 少し前までは、通りでかけ将棋をやったり、居酒屋の小上がりで酒を飲みながら将棋を指したりしている人の姿をよく見かけたが、最近見なくなったのはさみしい。自分がまだ若造であった頃は、そういう大人の男たちののどかな世界に憧れていた。

 僕は小学生の頃に祖父から将棋を教わった。「山くずし」から「挟み将棋」と順当に将棋の駒に親しんで覚えたが、祖父には最後まで飛車、角抜きでも勝てなかった。覚えてからは、よく父や弟、友人たちとも指した。負けると本当に悔しいのだが、「待ち駒」のように、勝つために卑怯な手を使うことのみっともなさは将棋から学んだ。

 僕は、盤に駒を置く時の音が好きで、プロ棋士の対局などを見ていると、勝負の行方よりもその音を聞いてうっとりしている。張りつめた空間に響く、カチッという硬い木のはじける音。しかし、自分が指す時には、そんな音はしなかった。理由は、消しゴムを持ち上げる時のように親指と中指、人さし指で駒の横腹を持ち上げて動かしていたからだった。ある時、プロ棋士の手元を見て、人さし指と中指だけで実に巧みに駒の表と裏を挟んで持ち上げ、盤に置く時に人さし指をわずかにずらして、はじくように置いていることに気付き、何度も練習して同じ音が出せるようになった時はうれしかった。

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