菊池康平<4>13カ国目のボリビアで念願のプロ契約を獲得
パソナを1年休職して、向かったボリビア。ところが、ボリビアに着いてすぐ、食事を取り過ぎて食中毒になり、入院してしまったんです。その前に行っていたパラグアイの寮では食事に困る環境でしたが、ボリビアで訪れた地には、飲食店も食べ物を買える店も充実していて、「何でも食べられる!」と喜んで食べ過ぎてしまったんですね。
ただ、知り合いのツテで紹介してもらったチームがあり、登録期限も決まっているので、完治するまで悠長に入院している場合ではなく、結局、フラフラしたまま練習場に向かいました。
そのチームでは、僕は本来はFWなんですが、DFだと嘘をつきました。というのも、パラグアイのときに、日本人だからということで他の選手から嫌がらせをされて、まったくボールが回ってこないということがしょっちゅうあったんです。それでは自分の実力を見せることもできないので、ここではDFということにしようと思いました。
■食中毒で入院したのが奏功
それで、センターバックで練習試合に出たら、思わぬことに人生で一番いいプレーができてしまったんです。食中毒で入院していたおかげで、体もすごく軽くなっていて、さらにまだ完治していないので、「とにかく漏らさなければいいか」くらいの気持ちで、試合へのプレッシャーもあまり感じない状態で出られたのがよかったのかもしれません。