塩田が作った町並み 広島県竹原市で郷土料理“魚飯”に舌鼓

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 新幹線の停車駅、JR三原駅すぐの三原港から高速船「ラビットライン」で30分の「大久野島」へ向かう。ここは瀬戸内海国立公園にある自然豊かな島。900匹以上のウサギが生息するため、“うさぎ島”とも呼ばれている。

 一般車道がなく自家用車も走っていないため、小さな子供が安心してうさぎと戯れることができるし、サイクリングも楽しんだりできる。かつては毒ガス兵器の工場があり、「地図から消された島」でもあった。砲台跡のほか研究所跡や毒ガス貯蔵庫跡にも絡まるツタが歴史を感じさせる。遺構ファンにも人気の場所だ。

 島から本土に戻り、安芸の小京都と呼ばれる竹原市の「たけはら町並み保存地区」にも立ち寄った。NHKの連続テレビ小説「マッサン」や航空会社のCMのロケ地にもなったところで、町家の一軒一軒に施された「竹原格子」のあめ色の木目が美しい。

 江戸時代に建てられた木造蔵内の一角を開放する藤井酒造の「酒蔵交流館」や古民家ホテル「NIPPONIA HOTEL 竹原製塩町」を訪れると、まるで時が止まったかのようで気持ちが落ち着く。

 今榮敏彦・竹原市長は「住民たちは生活しながら文化を残してきました。この町並みが、ほっとできる空間になればうれしいです」と強調する。昨年5月には日本遺産にも認定された。

 竹原市は江戸時代に入浜式塩田を開いてから発展した。重要文化財に指定されている「森川邸」(℡0846・22・8118)は、塩田経営で財を成した名家によって大正時代に建てられた住宅。主屋のほか、離れ座敷や茶室などがきれいに残っている。

 この日は森川邸で郷土料理「魚飯」をいただくことに。

 写真は「味いろいろ ますや」(℡0846・22・8623)の魚飯。竹の器によそられた白飯の上に、胴丸(トラハゼ)や焼きアナゴやタケノコ、しいたけ、こんにゃくなどの具材をのせてから、だし汁をかけて食べる。もともと塩田主が祭事に食べていたもので、素朴だが素材が生きている料理だ。

「竹原まちなみ竹工房」(℡0846・22・0973)では、市木の「竹」を使った竹細工を体験できる。

 この日は「かざぐるま」作りに挑戦。

 職人さんの丁寧な指導を受けてなんとか完成したが、繊細な竹を曲げる作業には思いのほかてこずった。料金は1000円(体験は30~40分程度。15時までに来店)。旅の土産として持ち帰った。

(取材・文=小野真依子/日刊ゲンダイ)

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