巨大オブジェに大理石の丘 尾道市「芸術の島」を散策する

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 広島県東部は鉄道から船やレンタサイクルまで、あらゆる乗り物を利用した旅が充実している。昨年は、「サイクリングロード」として人気の瀬戸内しまなみ海道も開通20周年を迎えた。尾道駅の新駅舎も開業し話題は豊富。3月31日までは、観光型MaaS実証実験アプリ「setowa」を使えば、交通機関の予約や決済も簡単だ。

 ◇  ◇  ◇

 尾道港からフェリーに乗って40分ほど揺られると、生口島の玄関口、瀬戸田港に到着する。ここはサイクリングに適した島で、頬に海風を感じながら舗装された道路で自転車を走らせるのが心地いい。途中の商店街に特産品のレモンと干しタコがずらりと並ぶ姿も圧巻だ。

 島のあちこちにある現代アートも見もの。アートプロジェクト「瀬戸田ビエンナーレ」で展示されているもので、巨大なレモンのオブジェなど、ついつい見入ってしまう作品が多い。ここは芸術の島なのだ。

 瀬戸田町出身の日本画家・平山郁夫氏の作品を展示する「平山郁夫美術館」(℡0845・27・3800)もある。小学生のころに被爆の惨状を描いた絵日記や、美術学校在学中のスケッチ類、しまなみ海道五十三次など見応え十分だ。

「庭園は、平山少年が幼少のころに眺めた瀬戸内海の海とひょうたん島の姿を再現しました」(学芸員の幸野昌賢さん)

 そのデザインを手掛けたのは、世界的に有名な造園家の中島健氏。吉田茂、田中角栄ら政財界の要人の邸宅の庭を手掛けたことで知られる。

 美術館を出るとすぐ派手なお寺がある。浄土真宗本願寺派の寺院全体を博物館として一般公開している「耕三寺博物館」(℡0845・27・0800)だ。

 日光東照宮陽明門を10年がかりで再現した「孝養門」や登録有形文化財の「多宝塔」は必見だが、人々が向かうのは敷地の一角にある小高い丘。広島県出身の国際的な彫刻家・杭谷一東氏の大理石による環境造形「未来心の丘」である。真っ白の大理石が瀬戸内海の青い海と重なり、夕景が映えるスポットだ。最近はSNSでも人気になっている。

海の見える新駅舎のレトロなカフェランチ

 尾道の新駅舎にある「カフェ&グリルNEO」(℡0848・29・9332)では、地産地消のランチが手ごろな価格で味わえる。

 この日のメインは、せとうち産「広島ハーブ鶏のグリルトマトソース」。瀬戸内レモンスカッシュも香り高い。ほかにスープ、パン、デザートが付いて、1500円(税別)。

 併設されている「エムスリーホステル」(℡0848・29・9330)は、ベッドだけのシンプルな造りだが、窓からは行き交う列車や駅の山側に広がる風景が望める。料金はバンクベッドルーム(男女兼用、定員1~2人)で1人2970円~。

(取材・文=小野真依子/日刊ゲンダイ)

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