著者のコラム一覧
夏樹久視作家

1947年東京生まれ。週刊誌アンカー、紀行作家、料理評論家などを経て推理作家に。別名で執筆の多くの作品が話題を呼びTVドラマ化。母親の認知症を機に、65歳でヘルパー2級の資格を取得、約5年間、デイサービスでの就業を経験する。紀行文、料理本、ミステリーなど著書多数。日本推理作家協会員。

「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応

公開日: 更新日:

 そんな池端さんだが、以前出入りしていた妖艶な女性ヘルパーに「???」と感じたことがあった。同僚の小池さんと雑談になった。「あのヘルパー、何歳くらいかな」「50歳前後……」「化粧が濃いね」「香水の匂いも……」「大丈夫かな? 怪しくないか」「うん、危ないかもしれない」「今度は夕方からのヘルパー勤務らしいし……」「探ってみようか」……。

 小池さんと僕は、波長が合う。夕方からのホームヘルパーとなると炊事だけではなく、かなりデリケートな仕事もある。なにか問題が起きたら大変だ。僕と小池さんは、池端さんに探りを入れた。

「今度のヘルパーさん、美人ですね」「いい感じだね。親切だし」「派遣事務所は同じですか?」「同じだと思う」……。そんなやりとりの後、「入浴は?」と尋ねると驚くべき答えが返ってきた。

「デイサービスで週2回入っているから断った。夏場は汗ばむから、どうかって誘われたけど。事務所に内緒でいいからって……」

 僕と小池さんは顔を見合わせた。入浴介護は別料金。内緒というのは違法行為になる。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲