<14>「女性専用墓」シングルも既婚も購入、生前は“墓友”らと交流を持つ
女性専用墓なるものができている。「え? なんのために?」と思う向きもあろうが、需要があるから存在するのである。
東京都府中市の霊園に20年前から立つのが、ずばり「女性のための共同墓」という名の墓。運営する新宿区のNPO法人「SSSネットワーク」理事長で、80年代に著書「女が家を買うとき」が話題になった作家の松原惇子さんはこう話す。
「女性たち、ネットワークをつくって楽しく生きようよ、と花見会、食事会、終活講演会などで交流しているんです。『女たちの共同墓』はそんな仲間、つまり“墓友”たちが集う場所です」
費用はNPOへの入会金1万円、年会費1万円。墓の契約は別途28万円。60代を中心に500人が生前契約し、すでに45人が墓に入っている。生前契約したデザイナーの女性(63)は、「私は一人で自由に生きてきたのだから、お墓も自由に選んでいいでしょう?」と言った。
かたや、6年前に埼玉県鳩山町の高台にできた樹木葬・共同墓形式の女性専用墓「なでしこ」は、シングルばかりか既婚女性も購入している。