元テレ東・赤平大アナの長男は受験決断2カ月で麻布中に合格 親子二人三脚の生活で感じた発達障害の可能性

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 元テレビ東京アナウンサーで、現在ナレーションをメインに活動するフリーアナの赤平大さん(44)には、もう1つの顔がある。赤平さんが22年に立ち上げたのが、発達障害・ギフテッド支援の動画メディア「インクルボックス(incluvox)」だ。自身の起業は、今年中学校に入学した長男の発達障害がきっかけとなった。

 長男は保育園のとき、発達障害であると同時に高IQであることが判明。一般的に、高いIQ(知能指数)のほか運動、芸術、料理、コミュニケーションなどで突出した才能を持つ人たちは“ギフテッド”と呼ばれる。発達障害は、医師が過去のデータや調査に基づいて診断して初めてわかるという。

 赤平さんはその事実と向き合い、公立小学校に通う長男と親子二人三脚の生活を送ってきた。小1から、登下校から習い事まで付き添う中で、長男がいじめられる場面にもたびたび遭遇してきたという。

「目の前で自分の子どもがいじめられるのを見ているのは、つらいものがありました。長男は物怖じせず誰とでも交わりたいタイプですが、声をかけてはいけないタイミングで話しかけたり、相手の思いを察することができなかったり、話の中で主語が抜けてしまい意味が伝わらず誤解を招いたり、相手をいら立たせて揉めたりすることはしばしばでした。

 ADHD(注意欠陥・多動性障害)の場合、突然立ち上がったりしますが、『うちの子、発達障害なんです』と伝えると、大人の場合、たいてい理解を示してもらえます。ただ相手が子供の場合、『あいつ変だ』といじめの対象になりやすいのです」

 発達障害は100人いれば100通りあると言われるように、個々の特性はまったく異なるという。

「長男はADHDと診断されていますが、ASD(自閉スペクトラム症)やLD(学習障害)の傾向もあります。それぞれの出方は人によって異なります。学校の先生など周囲にサポートしていただくものの、正確な支援は親でも難しいので、どういう場面で困難に直面するのかなど本人の特性をつかむため、朝夕は仕事を入れずになるべく一緒に時間を過ごすようにしてきました」

 小学校では一般クラスに在籍したが、週に2コマ、発達上特性のある児童が受ける通級の授業を受けていた。

■入試2カ月前に受験を決断

「そこでは学年に関係なく学習のフォローのほか、社会性を高めたり、他者理解を深めたりするため、ゲームをしたり集団授業が行われます。うちの子の場合、学習面は問題ありませんでしたが、コミュニケーションが苦手だったり、発達性協調運動障害(DCD)といって、体全体を連動させる縄跳びのような運動ができないほか、字を書いたり、箸を使ったりといった指先の運動を苦手とするなど、その年齢であれば当たり前にできるはずのことができません。

 発達障害には治療法がないため、療育といって社会生活に慣れるため、苦手なことを少しでも克服できるようにトレーニングをしています」

 このように日常生活で困難を抱えながらも、長男は今年、中学受験にチャレンジし、“男子御三家”の麻布中学校に合格している。だが、受験を決断したのは入試2カ月前のこと。当然、進学塾にも通っていなかった。赤平さんの長男はどういう経緯で麻布中の受験を志したのか。

「公立の場合、通常クラスの教師は忙しさから発達障害の知識が高まっていない、というデータがあり不安に思っていました。希望は週に2コマの通級ではなく、ずっと支援クラスに在籍できる情緒支援学級(固定)でした。しかし、私たちが暮らしている区の公立校にはそれが無く、他区へ転居し審査を受ける必要がありましたが、その審査も受かる保証はありません。だからといって、私立の進学校の受験も考えていませんでした」

■1日1時間しか勉強に集中できない

 転機が訪れたのは、小学3年生のとき。

「発達障害に知見のある先生が多く在籍する、横浜にある私立学校を本命の進学先に決めていたところ、私が千代田区立麹町中学校の学校改革を手伝っていた関係から、当時の校長、工藤勇一先生(現・横浜創英中学校・高等学校校長)に長男を見ていただいたことがありました。以前から状況はお話ししていたのですが、長男と接した工藤校長から『息子さん、麻布が合うと思いますよ』とアドバイスされ、すぐに麻布中の過去問を買いましたが、難しすぎてそのときは本をそっと閉じたことを覚えています」

 その後も、赤平さんは長男を観察しながら本人に適した学習法を実践し、将来を模索し続けたという。

「長男の場合、LDによって鉛筆で文字を書くのが苦手だったり、ADHDのため1日1時間しか勉強に集中できなかったりと、学習が困難になる多種多様な特性がありました。その特性を理解し、対策をPDCAのように仮説検証しながら、毎日学習を続けさせました。昨年12月、長男から『麻布に行けるなら行ってみたい』と突然言われました。初めは驚きましたが、受かる落ちるは関係なく、できることをやろうということにしたのです」

 長男はこれまで見せたことがない表情で、受験勉強にのめりこんでいったという。

「年末の模試は合格圏外でした。ところが、1日5時間ほど集中して勉強するなど、本人の頑張りで最終的に合格できました。本人の特性に合わせた学習効果の有無より、私には考えられない能力を本人が発揮できたのがうれしかったですね」

 短期間で想像できないような理解力、集中力を発揮して奇跡的に合格を勝ち取った。

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