石川・志賀原発「情報誤発表&訂正」のお粗末…北陸電力そして政府に渦巻く不信と不安

公開日: 更新日:

不安を与えてはならないとの大前提?

 NPO法人「原子力資料情報室」事務局長の松久保肇氏が言う。

「判明した時点で情報を出し、間違っていたら訂正すること自体は、隠すよりはいいことです。ただ、気になるのが、当初は安全サイドで情報を発信し、後でマズい方へと訂正していることです。どうも、不安を与えてはならないとの大前提があるように見え、逆に不安でなりません」

 志賀町の揺れの最大加速度は2826ガルだったが、志賀原発1号機の原子炉建屋地下2階の最大加速度は399.3ガル。志賀原発の耐震基準1000ガルを大幅に下回っている。

「地下であるため、低い数字が出たとみられます。この数字が正確だとして、逆に心配になる面があります。というのも、基準の半分にも満たない加速度なのに、核燃料プールから水があふれ、冷却ポンプが一時停止し、変圧器から大量の油が漏れているからです。加えて、敷地内は亀裂や段差が発生。そういう中で、誤った発表と訂正の繰り返しです。北陸電に対して不信と不安を募らせている国民も少なくないはず。電力会社に任せるのではなく、政府の責任で原発がどうなっているのか、明らかにし、国民に公開すべきだと思います」(松久保肇氏)

 経産省は北陸電に対し、正確な情報発信をするよう指示。志賀町の住民も日刊ゲンダイ記者に「正確な情報が欲しい」と訴えた。国民は志賀原発の真実を知りたいのだ。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

    3Aでもボロボロ…藤浪晋太郎の活路を開くのは阪神復帰か? 日本ハム、オリックス移籍か

  2. 2
    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

    本来は「9月左翼構想」だが…大谷が打てば打つほど手術明けの外野守備は前倒しの気配

  3. 3
    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

    訪日客狙い“奥日光2泊3日400万円ツアー”のアテが外れた理由

  4. 4
    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

    「いまだに、ああいうスタンスは何なのだろうと…」当時の山田GMが首をひねった図太い神経

  5. 5
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6
    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

    真美子夫人も共同オーナーに? 大谷「25億円別荘購入」の次は女子プロバスケチーム買収か

  2. 7
    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

    大谷「DH独占」打ちまくり、週間MVPも…他の野手を休ませられないロバーツ監督のジレンマ

  3. 8
    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

    3人兄妹の末っ子だから年上と遊ぶ機会が多く、彼らと遊ぶだけの体力もあった

  4. 9
    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

    東山紀之社長の鉄面皮「SMILE-UP.」の体質は旧態依然…進まぬ被害者補償に批判と失望

  5. 10
    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間

    当時日本ハムGMだった山田正雄氏が「この性格はプロでやる上でプラスになる」と確信した決定的瞬間