著者のコラム一覧
久坂部羊小説家・医師

1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒。小説家・医師。外科医、麻酔科医を経て外務省の在外公館の医務官として海外勤務。48歳で小説「廃用身」で作家デビュー。「無痛」「破壊」「神の手」はドラマ化されている。近著に「人はどう老いるのか」(講談社現代新書)がある。

70歳を超えた吉田拓郎は心情吐露も…「老いるといいことがない」は本当か?

公開日: 更新日:

「心の準備が足りなかったのでしょう。老いというのはさまざまなものを失っていくことです。体力、見た目、能力、社会的な地位、人によっては家族を失う。老いをイメージすることで、失うことは普通と受け入れられる。それができないと苦しむことになります」

 ある男性患者は、腰痛のせいでほとんど動けなかったのにもかかわらず、「年のせいだからどうしようもおませんな」と言って治療法に耳を傾けず、それどころかにやりと笑って「これが治せたら先生はよっぽどの名医ですわ」とちゃかした。

 84歳のある女性脳梗塞で左半身不随となり、懸命な歩行訓練のリハビリでかなり状況が改善したにもかかわらず、そのことを不服としていた。右半身は自由で言語障害もないため、残っている機能を使うともっと楽しく過ごせるのに、真面目な性格のためか、マヒした左半身を回復させることで心がいっぱいになって人生を楽しむことから遠くなったのだ。 =つづく

(構成/夏目かをる)

【連載】久坂部羊 楽な老い方

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意